年代別トレーニング
年代別トレーニング第2回の今回は、「9歳〜10歳対象: 攻撃のトレーニング」を紹介します。
スペインでは、この年代をベンハミンと呼びます。日本では、小学校3•4年生がこの年代に当たります。1つ前の年代である6歳〜8歳とこの年代に大きな差はありません。
しかし1つ年代が上がるということは、少しずつサッカーのレベルを上げていく必要があります。
では、どのようにレベルを上げていくのか?
1つは、6歳〜8歳の間に取り組んできた「コーディネーション」の向上に努めることです。
重りや器具などを使った負荷の高いトレーニングをする必要はありませんが、基本的な運動能力の向上のためにトレーニングを続けていく必要があります。
- ジャンプ(全方向: 前•後ろ•横)
- 移動(前向き•後ろ向き)
- ブレーキとスプリント
- ターン(もとの方向に戻る動き)
- バランス
- 方向転換(方向を変える動き)
- 支える力(ジャンプした時の着地時など)
道具などを使わずに自重の範囲で、トレーニングの強度を上げていきましょう。その代わり、1週間に行うコーディネーションの回数や時間を減らしてもいいでしょう。
*参照: 前回紹介したトレーニングメニューの割合表ではコーディネーションの割合は、6歳〜8歳が40%、9〜10歳が35%となっています。
*ハードルやラダーなどの道具を持っているのであれば、それらを使うことは全く問題ありません。
2つ目は、サッカー理解度を深めることです。
6歳〜8歳では「自チームとボールの関係」、9歳〜10歳ではこれに加えて「相手チームとの関係」が加わります。
自チーム•相手チームと言っても、これらの年代は7人制もしくは8人制の導入段階なので、まずは2人•3人といった少人数の範囲で考えることを目指します。最終的に各年代を終える頃に、チーム単位でサッカーを分析•理解できるようになれば理想的です。
正直なところ、言葉で表すほど簡単なことではありません。
例え各年代で抑えておきたい基本戦術を学ぶために2年という時間があったとしても、これらを習得することは簡単ではありません。
指導者には気長にチーム•選手の成長と向き合う忍耐力が求められます。
そしてこの年代でも、とにかく選手たちに「サッカーをプレーすることを楽しむ」という環境を与えられるように努めましょう。
これらを踏まえて、具体的なトレーニングメニューの例を見ていきましょう。