留学

スペインでステップアップ[指導者編]

スペインの指導者レベル

日本でも「スペイン流」や「スペイン式」とスペインのメソッドを取り入れたチームやトレーニングが増えてきています。テクニックと共に戦術レベルの高さから、スペインの指導者・メソッドは日本では高く評価されています。

また同様にスペインの指導・メソッドは、サッカー人気の高い欧州の他の国からの評価も高いです。それを証明するように、ベルギーやデンマークといった国でもスペインのサッカー指導者がサッカークリニックを行なっています。
これに加えて、指導者だけでなく、スペインで育った選手のレベルは非常に高いものです。スペインの国内リーグのレベルが高いことは、指導者のレベルの高さや育成メソッドの賜物とも言えるでしょう。

以上のことから、日本でスペインサッカーを学ぶだけでなく、日本からスペイン現地に来てサッカー指導者として勉強し経験を積む人もいます。
今回は、スペインへサッカー指導者留学を考えている人の参考になるような話を紹介します。

サッカー指導者の種類

まずは、サッカー指導者にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

①第一監督
②第二監督
③フィジカルコーチ
④ゴールキーパーコーチ
⑤アシスタントコーチ
⑥分析官[アナリスタ]

この他にも、メディカルスタッフ(トレーナー、リハビリスタッフ、管理栄養士など)や道具・グラウンドの管理等をするスタッフなどチームによって多くの人がいます。
今回は、上記に挙げたものの中でも、監督・フィジカルコーチ・ゴールキーパーコーチにフォーカスして話します。

必要なライセンス・資格

サッカー監督

第一監督あるいは監督として公式戦のベンチに座るためには、所属リーグが提示する条件を満たすサッカー指導者ライセンスを取得しなくてはなりません。
第二監督やゴールキーパーコーチ、アシスタントコーチ、分析官は、サッカー指導者ライセンスがなくても公式戦のベンチには座れますが、一般的にほとんどのスタッフがライセンスを取得している状態か取得途中の状態にいます。
つまり、ベンチには必ずサッカー指導者ライセンスを取得している人が必要なのです。

*過去にあった特殊な例:元プロサッカー選手のフェルナンド•トーレス選手がアトレティコ•マドリッドのユースAの第一監督になった1年目の話です。
当時、彼はサッカー指導者としてのキャリアを始めたばかりで、そのリーグが求める第一監督としてのライセンスを保有していませんでした。そのため、活動内容は第一監督であるものの、サッカー協会が出すリーグ戦のデータには第二監督として出ていました。

スペインのサッカー指導者ライセンスには大きく分けて2種類あります。

-国内ライセンス -国際ライセンス

国内ライセンスは、スペイン国内でのみ有効となります。一方で、国際ライセンスは世界中のどこででも有効になります。

国内ライセンス 国際ライセンス
レベル3 UEFA PRO
レベル2 UEFA A
レベル1 UEFA B
× UEFA C

UEFA Cに該当する国内ライセンスはありません。つまり、UEFA Cとは、UEFA Bを取得するのに必要な資格であるというだけです。そのため、UEFA Cは国際ライセンスとはなっていますが、取得した国、つまりスペインでしか使えません。

ゴールキーパーコーチ

ゴールキーパーコーチのライセンスも上記のサッカー指導者ライセンスと同様に、UEFA C, B、Aとあります。しかし、これらのライセンスは上記のサッカー指導者ライセンスを取得した後にしか取れません。
つまり、サッカー指導者UEFA.C➡︎ゴールキーパーコーチUEFA.C、サッカー指導者UEFA.B➡︎ゴールキーパーコーチUEFA.B、サッカー指導者UEFA.A➡︎ゴールキーパーコーチUEFA.Aという手順で取得しなければいけません。
そのため、ゴールキーパーコーチの中では、「ゴールキーパーコーチが一番知識が持っている」とぼやかれています🤣🤣🤣

フィジカルコーチ

先ほど挙げた指導者の中で特殊なのが、このフィジカルコーチです。
フィジカルコーチの役割を果たす分には何も特別なことはないのですが、フィジカルコーチとして「登録」するためには、サッカー監督とは異なるものが必要となります。

それが、INEF[Instituto Nacional de Educación Física]です。

これはスペインの大学の専門の学部[Grado en Ciencias de la Actividad Física y del Deporte]を卒業することで得られるものです。その後、興味のある専門分野の修士号を取得することが必要です。

スペインを始め、ドイツなどの国ではフィジカルコーチの資格をもった指導者が多くいます。「フィジカルコーチになりたい!」、「フィジカルの専門知識をしっかり持ってサッカー指導者をやりたい!」「フィジカルコーチをサッカー指導者としての入口にしたい!」と考えるようであれば、スペインで大学に行く必要があります。
この場合、大学進学も含めて、サッカー留学を考える必要があります。

若い指導者が多いスペイン

スペインには、日本に比べて若いサッカー監督が多いです。
日本でも高校生や大学生の内から、指導者ライセンスを取得する人は増えてきたと思いますが、チームで第一監督をする人は少数だと思います。

その理由は何なのか?

“日本ではサッカー選手を辞めた後に指導の勉強をする”
“スペインでは選手をしながら指導者キャリアを始める”

いくつか理由は考えられますが、その一つがこれだと考えられます。
20代までは選手としてサッカーをプレーし、20代後半あるいは30代から指導者ライセンスを本格的に取得にしに行こうと考えている人が多いと思います。

ここからは、少し詳しく話していきます。

指導者キャリアの始まり

サッカー指導者の種類のところでも説明しましたが、スペインではサッカー監督に対してだけではなく、フィジカルコーチに対しても資格・ライセンスの取得を求めています。
そのため、スペインの高校を卒業した後に大学に行く人も多くいます。

大学で勉強しながら、夕方から夜にかけてサッカー選手として活動、つまりトレーニングをします。それに加えて、サッカー指導者ライセンスを取得しに行く人も少なくありません。
また、大学に行かなかったとしても、働きながらサッカー指導者ライセンスを取得しに行く人もいます。もちろん、その多くが選手としても活動しています。

スペイン人は、シエスタ[昼寝]の文化があったり、週末にフィエスタ[パーティー(夕食会やディスコに行くこと)]が一般的なこともあり、働き過ぎの印象の強い日本人に比べて勤勉に見られないこともありますが、サッカーの世界、特にアマチュアにおいては大多数が勤勉です。

ちなみに、国内ユース高位リーグやセミプロの上位クラブに所属する選手ですら、同様にサッカー選手として活動する以外にも、大学に行ったり働いたりとさまざまなことをしています。

こういったことがスペインでは、指導者としての入口になります。
そして、サッカー指導者としての活動は次のように広がっていきます。

①ある監督のもとで、第二監督あるいはアシスタントコーチをする。
もしくは、6歳前後の小さい選手たちのチームの監督をする。

②小さい年代[例:9〜12歳くらい]のチームの第一・第二監督をする。

③より上のカテゴリー[ジュニアユースやユース年代]の指導を行ったり、アルファベットが上のチーム[同じカテゴリーでもレベルが上]のチームの指導を行う。

※これらの活動と同時並行でライセンスを取得しにいきます。

これはあくまでも例です。
その人が何を優先し、何がしたいのか、またクラブ側がそれを受け入れてくれるか、そうでないかなど、状況によって色々と変わります。
しかし、基本的にはどんな指導者も年代の低い選手の指導から始めて、そこから少しずつ年単位でステップアップしていきます。

ライスセンス[資格]の価値

スペインでは、日本に比べて比較的順調に上位のサッカー指導者ライセンスを取得することが可能です。

スペインでは、16歳からサッカー指導者ライセンスを取得することができます。その後の年齢制限はありません。(※ちなみに、日本の場合、C級は18歳以上、B級は20歳以上となっています。)
加えて、国際ライセンスに関してはUEFA.Aまでは比較簡単に受講でき、国内ライセンスにおいてはサッカー協会が認めるアカデミー[専門学校]でも取得できるため、順を追っていけば受講できます。ただし、2023年現在、UEFA.PROに関しては定員が少なく、推薦者が優先されるため、簡単には受講できません。

スペイン語の難しさはありますが、制度上はスペインの方が、アマチュアでも元プロでも誰もがサッカー指導者ライセンスを上位のものまで取得することが可能です。

 

では、ライセンスの価値とは何なのでしょうか?

 

もちろん、自分が指導するチームの公式戦のベンチに監督として座るためには必須なものです。

 

しかし、「ライセンスを持っている=良い指導者」なのでしょうか?

 

多くの人が持つ指導者ライセンスは、その指導者が他の指導者と違うことを証明するものになるでしょうか?

 

いえ、なりません。

 

 

実際、UEFA.Bまでしか持っていない指導者の中には、UEFA.A持っている指導者よりサッカー関係者や周囲から評価の高い監督もいます。
このことから、ライセンスはサッカー指導者として然るべき勉強をしたことを示すものであって、指導者の良し悪しを決めるものではないことがわかります。

イメージしていただきたいことは、車の運転免許証です。
運転免許証を持っているからと言って、それが運転が上手いことを示すことはありません。
免許を持っていても、運転が下手な人はたくさんいますよね😂😂😂

ただし、矛盾するようですが、サッカー指導者としてステップアップしていく上でライセンスはものすごく大事です。また、ステップアップしていることを可視化することができるものでもあります。

その上で、ライセンスの勉強だけではなく、指導現場などからさまざまなことを学ぶことが重要であり、それがサッカー指導者としての良し悪しにつながります。

 

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