ラージョの本日の活動はなし
- 同クラブ内の他チームの練習時間の確認
- 今週末のラージョの対戦相手についての分析結果とそれに基づく切り取り画像の作成と提出
- 今週末のモラタラスの対戦相手の試合映像分析
昨夜スペイン在住の日本人の方から、ラージョの小学生•中学生年代の練習が今日あるかどうかと、その時間について聞かれました。私は、セカンドチームにしかいませんし、この年代の選手はもちろん、その指導者と関わる機会はまだありません。
いただいた質問に答えるには、グラウンドの施設まで行く必要がありました。
施設に着いて、今週の全てのチームの活動時間が記されている張り紙の写真を撮り、施設を出ました。
施設から家に戻ってモラタラスの練習に行くとなると、かなりの時間を無駄にしてしまうので、ラージョの施設近くにあるカフェで作業をすることにしました。
最初に取り掛かったことは、今週末のラージョの対戦相手についての作業です。
昨日、ラージョの第一監督から相手分析に関する連絡がきました。
「相手分析の結果を、書面での資料といくつかの切り取り映像にまとめて、遅くとも火曜日の夜まで日送って欲しい」という連絡でした。
ですので、今週からはこれに基づいて作業を進めていく必要があります。
既に対戦相手の直近に2試合を見てメモを取り終えていたにもかかわらず、この作業を終わらせるのに、想像していた2倍の時間がかかってしまいました。時間がかかった1つの理由は、相手の守備の仕方が明確に現れている映像が中々決まらなかったからです。
スタッフ•選手に映像を見せる上で私がいつも意識していることは、「誰がどう見てもはっきりとわかる映像を見つける」と言うことです。
もちろん、映像を見せるときには口頭での説明もありますし、時には映像に図を書いたりすることもあります。ただし、私の理想としては映像を見せた時に、映像のタイトルと映像のみで伝えたことが伝わることです。
今回も、守備についての現象が起きた時間はにいくつかメモしていました。
しかし、その中からより良いものを選ぶ必要があります。この選定が無ければ、1試合まるまる全て見ることと大きな差はありません。
今回は、この選定にかなり時間がかかってしまいました。
この作業が終わる頃には、既にお昼の時間が近づいていたので、場所を変えて昼食を取りました。昼食を取った後、取り掛かった作業は今週末のモラタラスの対戦相手の試合映像分析です。
今週のモラタラスの対戦相手は、Leganés(レガネス)のJuvenilBです。そして、ラージョの今週末の相手はレガネスのセカンドチームです。
正直、選手の年齢や試合出場時間などの選手個人の情報を調べていると、頭がおかしくなりそうになりました。
ただし、tercera(テルセーラ•フェデラシオン: スペイン国内実質5部リーグ)の試合映像を見た後に、スペインユース2部の試合を見ると、流石にレベルの違いがはっきりと見えます。
実際、ユースを終え大人のカテゴリーに行く時、スペインユース2部リーグの選手がテルセーラに行くことはかなり難しいですし、そう言った選手の数はほぼゼロです。昨シーズン私が把握している限りでは、マドリッド州内のスペインユース2部18チーム×22人の選手の内、5人もいません。
体格はもちろん、プレーの判断スピード、ボールの動かし方、全てにおいてレベルが異なります。
対戦相手の試合分析を1試合終えて、モラタラスの練習に向かいました。
(グラウンド)
- 技術的トレーニング
- 2グループに分かれてトレーニング
ボール保持/ボール保持からの攻守の切り替え - 条件付きのゲーム
- ゲーム
今日の練習は、まずウォーミングアップを含めて技術的なトレーニングを行いました。この時のポイントは、パスの距離を長くし過ぎないことです。
その上で、今日の技術的トレーニングのテーマは3つです。
- ボールを待ってパスを受けるのではなく、動いて受ける。
- 少ないタッチで正確にプレーすること。
- コミュニケーションを取ること。
これらのことは、週末の試合でチームに欠けていたことです。基本的なことだからこそ、ウォーミングアップの一環としてトレーニングすることができます。
ウォーミングアップにはからを温めるという目的以外にも、1日の練習の導入という意味があります。
ここで簡単に、各テーマの説明をします。
⚫️ボールを待ってパスを受けるのではなく、動いて受ける。
これを自チームでは、「aparecer(現れる)」と表現しています。対象の言葉として、「quedarse(とどまる)/esperar(待つ)」という表現も使います。
つまり、味方からパスを受ける際に、ボールを受けるべき位置に最初からとどまってパスを要求するのではなく、ボールを受けるべき位置に現れるということです。
自チームの戦術の1つをもとに例を紹介します。
自チームでは、攻撃の際フィールド中央に4人の選手を配置します。しかし、採用しているシステムは1-4-3-3で、攻撃の際中盤はアンカー(pivote)+トップ下2人(interior/mediapunta)の配置になっています。基本的には、ウイング(extremo)の1人がフィールド中央の中に入ることで、4人の選手を配置することになります。この時、どちらのサイドのウイングが中央に入るかは、どちらのサイドのトップ下がアンカーと同列の位置にポジションを取るかによります。
前置きが長くなりましたが、このトップ下の動きこそ、aparecer(現れる)になります。
⚫️次の、少ないタッチで正確にプレーすることについては、言葉の意味のままなので説明は不要かと思います。
⚫️最後に、コミュニケーションを取ることについて説明します。
コミュニケーションと言うと、「声出していこうぜ」や「盛り上げていこうぜ」、もしくは「ナイス!」のような声を出すことを想像されるかもしれません。しかし、ここで言うコミュニケーションは異なります。
自チームでは、このコミュニケーションのことを「dar informe (情報を与える)」と言葉を使って表現することもあります。つまり、ボールを出す選手がボールを受ける選手に対して、プレーに関する情報を与えると言うことです。
例えば、ボールを受ける選手の背後から相手選手がボールを奪いに来ている時には、「de cara(はたけ)」と声をかけます。もし、相手選手が周囲におらず、ボールを受ける選手が前を向けるときには「solo(フリー)」と声をかけます。
このように味方に情報を与えることを、ここではコミュニケーションと言います。
技術的なトレーニングを終えた後、チームは2つのグループに分かれてトレーニングしました。
1つのグループはシンプルなボール保持、もう一つのグループは「停滞と監視」をテーマに異なるメニューを行いました。
停滞と監視のメニューは次のようになります。
ここでは、自チームがボールを持っている状態から攻守の切り替えの準備をし、攻撃から守備への切り替えが起こった場面で的確な判断をすることを目的とします。
- 相手のカウンターに対してボールを奪いに行くのではなく、後退しながら味方が戻ってくる時間を作ること。
- センターバックとアンカーの選手はサイドにボールを奪いに行かないこと。
優先すべきは、自陣ゴール前のスペース。 - センターバックと共に残っている相手選手との距離が近ければ、体を寄せ相手に簡単にプレーさせないこと。
各グループが各メニューを終えた後、条件付きのゲームへと移りました。ここからは、チーム全体でトレーニングしていきます。ただし、トレーニングメニューの目的は先ほどと同様の「停滞と監視」です。
練習の最後に、11対11のゲームをして今日の練習を終えました。
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