(グラウンド)
- 大きなロンド
- 4対2のロンド×4(GKも含む)
- ゲームプランの復習
- セットプレーの確認
今日の練習は、45分ほどと短い時間のトレーニングでした。今日練習参加人数はフィールド選手22人+GK3人の計25人でした。
まず最初に、大きなロンドを行いました。
大きなロンドとは、ボールを奪いに行く3人の選手を除く全ての選手が円を描くように並んで行うロンドです。ボールを奪いに行く選手たちは、円の中に入ります。今日の場合は、22対3です。ポジションチェンジはなく、全ての選手がワンタッチでプレーします。守備の選手がボールに触ったら、その時パスを出した選手とその両隣の計3人がボールを奪いに行く選手となります。
次に、4対2もしくは5対2の小さなロンドを4グループに分かれて行いました。一定の時間になると、フィジカルコーチが合図を出します。この時、各ロンドで守備をしている選手は、右隣にあるロンドへボールを奪いに行きます。ちなみに、4つのロンドは正方形を描くように配置されています。
このメニューを試合前日に行う上で、大事なことは強度を求めないことです。
試合前日の練習の目的は、体を動かすこと、そしてゲームプランやセットプレーについて確認することだけです。体に疲労を残すような練習にしてはいけません。なぜなら、次の試合で体が疲れた状態でプレーに臨むことを防ぐためです。
ロンドを終え、次にゲームプランについての復習を行いました。これは既に1週間を通して繰り返しトレーニングしてきました。そのため、ゴールキックからのプレーの再開を、説明を含めて各バリエーションを2回ずつほどおさらいし、セットプレーの確認に移りました。
明日の対戦相手は、ロングスローなどセットプレーにいくつかの特徴を持っているチームです。それに対応•対抗するための解決策を試合前日に選手たちに説明しました。
ちなみに、今日の練習で確認したセットプレーの内容は、金曜日の段階でチームのグループメッセージで説明しています。この説明の際に使われた試合映像の切り取りは、私が木曜日に準備したものです。この方法は、選手たちの自主性に任せる形にはなりますが、練習前にその日確認する内容を事前に把握しておくことができます。事前に内容をおおまかに把握しておくことで、練習で理解度をより良くすることができる可能性があります。
練習の最後に、イングランド式シュート練習を各選手1回ずつ行い、今日の練習を終えました。
- ラージョJuvenilA対レアル•マドリッドJuvenilAのリーグ戦観戦
練習後、第一•第二監督と共にラージョのカフェで昼食を摂り、グラウンドに戻りました。今日は13:00からスペインユース1部リーグに所属するラージョJuvenilAの試合がありました。対戦相手は、レアル•マドリッドのJuvenilA。
レアル•マドリッドJuvenilAには、飛び級をしている選手や昨シーズン飛び級をしてスペインユース1部リーグで既にプレーしていた選手、中にはレアル•マドリッドB(カスティージャ)でプレーしたことのある選手もいました。ちなみに、かの有名なジダン氏の息子さん(Elyaz Zidane)も今この年代にいます。
しかし、リーグ第1節•第2節とマドリッド州外のチームに引き分けをきし、チームの流れとしてはあまり良い状態とは言えませんでした。
一方で、ラージョJuvenilAは第1節をマドリッド州外のチームに勝ち、第2節は去年スペインユース1部リーグを3位で終えたチーム相手に引き分けてこの試合に臨みました。このチームの半分は、2006年生まれのJuvenil2年目の選手たちです。残り半分はJuvenil3年目、最後の年の選手たちです。つまり、飛び級するほど良い選手が多くいます。
自力さで言えば、レアル•マドリッドJuvenilAの方が上と言えますが、大きな差はありません。なんと言っても、ラージョもレアル•マドリッドと同様スペイン1部リーグにトップチームが所属するクラブです。各年代の良い選手たちが集まります。
※その上で言えることは、それでもレアル•マドリッドというクラブは多くの点において他クラブを寄せ付けない凄さがあると言うことです。だからこそ、レアル•マドリッドと対戦する時は、町クラブに限らず、ラージョのようなカンテラと呼ばれるチームでもかなりのモチベーションを持って試合に臨みます。
試合は、前半13分レアル•マドリッドがセットプレーから先制点を決めて始まります。しかし、試合全体を通して、より多くのチャンスを作っていたのはラージョでした。
前半36分にラージョは、ミドルシュートでゴールを決め同点に追いつきます。
後半10分、クロスから相手に追加点を許してしまいます。この追加点を決めた選手は、昨シーズンレアル•マドリッドB(カスティージャ)でプレしていた選手です。Juvenil3年目の今シーズンは、より多くの出場機会を与えるために、JuvenilAでプレーしています。
後半67分、ラージョは同点に追いつきます。
そして、試合終了間際となる後半88分、相手のパスミスからゴールを奪い、レアル•マドリッド相手に3−2とホームで逆転勝利を収めました。
今日は、多くの人がこの試合を見に来ていました。私を含むラージョの関係者、モラタラスのJuvenilAのスタッフも見にきていました。と言うのも、ラージョのJuvenilAには過去にモラタラスに所属していた選手が現在2人在籍しているからです。もちろんそれだけではなく、ラージョ対レアル•マドリッドという対戦カードに魅力を感じて見にきていました。
スペインでは、試合のない日や自チームの活動のない日を活かして、サッカーの試合を見に行くことが一般的です。
ただ、今日の試合に関しては、少し理由が異なります。
ラージョBのスタッフとしては、今シーズン•来シーズンに向けて、JuvenilAからラージョBへ昇格•飛び級できる選手はいるのか、またレアル•マドリッドの選手も今後の選手市場に向けて、プレーを見る対象となっていました。なぜなら、レアル•マドリッドのJuvenilAの場合、次のカテゴリーへ昇格することが簡単ではないからです。これは全てのカンテラと呼ばれるチームに言えることですが、レアル•マドリッドでは特に難しいのです。
実際今シーズンのラージョBの場合、昨シーズンのラージョJuvenilAから昇格してきた選手の数は、全体の3分の1以下です。(計6名)
この中には、昨シーズンJuvenil3年目でありながら、ラージBでプレーしていた選手が1人、2006年生まれのまだJuvenil2年目の選手が1人います。
日本では、スペインで若い選手たちが活躍することが一般的ような印象を世間に与えがちですが、これらの選手は全く一般的ではありません。
カンテラで飛び級するということは、とても簡単なことではありません。今ラージョBが所属しているリーグは、実質スペイン5部リーグですが、そこに10代からプレーするような選手でさえスペイン1部リーグに到達することは困難です。
スペインサッカー留学を考えている方への
個人的アドバイス
ここからは、プロサッカー選手になることを目指してスペインにサッカー留学することを考えている人たちに向けての話になります。
日本や他の有名な国でプロ経験のない選手が、スペイン5部リーグにいきなり入ることは現実的に非常に厳しいです。実際、日本代表経験もあるような選手でさえ、スペインの5部•4部からプレーを始めることになります。そして、5部•4部からシンデレラストーリーのようにスペイン1部リーグまで駆け上がってくることは、非常に稀です。この例外がカンテラになります。
こうは言っても、カンテラに入ることも簡単ではありません。
こう思われるかもしれませんが、ここで言いたいことは次のことです。
- スペインサッカー留学1年目からスペイン5部リーグ(テルセーラ•フェデラシオン)でプレーすることは簡単ではないということ。
- よっぽど良い選手(世代別代表経験などの経歴を持つ選手)でない限り、これ以上のリーグに入ることは難しいということ。
- そもそも、全く経歴のない状態ではこれ以上のリーグに練習参加することもできないということ。
これが現状であり、サッカー留学を計画する上であらかじめ知っておいた方が良いことです。
もしスペインサッカー留学についての相談が必要であれば、問い合わせページから気軽にご連絡ください。
*モラタラスの本日の活動なし
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